home>index>依頼者との出会い。
2004年の秋。 定時を一時間程過ぎた頃、事務所の照明を落とし残業モードの準備をしていました。 事務所の前の駐車場へ一台の車が入ってきました。 運転席側(車の右側)の板金はデコボコ。運転はあまり上手ではないようです。 工事業者か訪問販売の人が営業に来たのかな?と思いつつ、閉店を伝えようと駐車場へ行きました。 「こんばんは〜」と声を掛けると、降りてきたのは50代後半に見えるジャージの男性。 営業ではなさそう... 男性:「こんばんは。」 私 :「いらっしゃいませ。」 男性:「あの〜。家売りたいんで、一緒に来てもらえます?」 私 :「はい。お宅はどちらですか?」 事務所の電気をつけて中へ案内しようとしました。 男性:「首里○○町の○丁目○番地です。あ〜、すぐ近くだから。ついてきてよ。」 私 :「わかりました。○○と申します。」(名刺) 男性:「Aです。」 私 :「ちょっと、戸締りしますの...」 言い終わらない内に男性は車に乗り込み、エンジンをかけました。 事務所と同じ町内の番地なので、大体の場所はピンときて良かったです。 手帳とペンを取り、振り向くと「やば!」男性の車は走り去って行きました。(汗) 鍵とヘルメットを取り、タイミングよく出先から帰ってきた事務員に戸締りを頼み追いかけました。 さっきピンと来た番地の方向へバイクを走らせ、200mくらいのところで追いつきました。(ホッ) 車がボコボコなのは、スピードを出しすぎるからでは無いようです。 かなり、ゆっくり運転しています。 道幅が狭いので対向車が来ると、更に減速して左へ寄せます。しかし、ガ〜リガ〜リ言ってます。 助手席側はもしかして、運転席側よりもひどい?
車は角地に建つ、シャッター付の車庫へ入っていきました。 どうやら男性の住宅へ着いたようです。 バイクを停め車を降りてくるのを待ちます。助手席から帽子を深めにかぶった若い女性も降りてきました。 挨拶して、玄関へと2人についていき、中へ案内してもらいました。 建物の外見は築25〜6年くらいに見え、50坪弱の一戸建て、標準的な一般住宅でした。 玄関を開けると、なんとも言いがたい香りが... 床には茶碗や衣類が散乱し、泥棒...も入らないなって感じです。 玄関で靴をどこに脱ごうかと迷っているうちに、奥から男性が「○○君上がって〜。」 「はい〜。お邪魔しま〜す。」声のする方へ行くと、ダイニングキッチンで男性は一服しておりました。 酎ハイ片手に... 男性:「○○君もどお? ビールがいい? 泡盛がいいかな?」 私 :「いえ。仕事中ですから〜。お茶頂いていいですか?」 男性:「お〜い、B子ぉ。お茶入れて〜」 (先ほどの若い女性は奥様のようです。)
決して狭くはないダイニングには、高級家具(食器棚)とダイニングテーブルに六脚のイス。14インチのテレビもダイニング用でボードに置かれている。 床には立派な皮張りの三線ケースの上に、三線が載っている。 その横に...毛布や枕 男性:「いや〜、ちょっと風邪ひいてて、昨夜はここで眠っちゃったから...」 毛布を片付け始める。私の目線はなめるように部屋を見渡していたのかな? 男性はそれほど気にしている様子ではないから、まっ、大丈夫だ。
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